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[ 報告 ] 掲載 2006/11/04 更新 2006/11/05
※2004年9月24日働く女性の日米ワークショップの報告
労働組合女性連合CLUW(Coalition of Labor Union Women)
発表者:グロリア・ジョンソンさん
●グローリア T. ジョンソンさん
アフリカ系アメリカ人女性.CLUW創設メンバーで,1993年以来12年間CLUWの会長であった.それ以前の17年の間はCLUWの会計係などをしていた.IUE(女性電機国際ユニオン)の社会活動部および議長,さらに,アメリカでもっとも大きい労働組合であるAFL-CIO執行委員会の副会長をしていたが,今年の秋にすべて引退.1950年に国際電機労組を結成した.労働者出身.長年,彼女は,IUE女性会議に選出され貢献した.IUE-CWAからの今年の初めの彼女の引退の前に,女性活動調整者だった.女性とマイノリティーの進歩のための有力な主唱者としてCLUWの位置づけを決定した.ガラスの天井,ヘルスケア,女性および子供の虐待に関する会議,世界経済での女性,投票者参加および他のものの主催から,様々な経済の女性および健康セキュリティ問題についての豊富な情報の公表に貢献した.
未組織の女性を組織し,差別撤廃措置を促進し,各組合の女性たちの参加を増加させるのを支援した.彼女は,この国の,および他の国家への不公平な貿易協定,搾取工場および人権侵害に抗議して女性組合員が立ちあがることに助力した.
さらに,ジョンソンのリーダーシップの下では,CLUWは,女性たちの健康教育,HIV/AIDSに対する労働者の反応,避妊の公正および同一賃金を要求する運動をリードした.彼女は世界でも有名な活動家で,女性と労働者への賃金,労働条件および尊厳を改善することを支援するために地球を横断旅行している.来日経験もある.もう一度日本と南アフリカに行きたいと言っていた.
■特徴
1974年に結成されて今30年め.アメリカの女性組合員のための組合横断的な唯一の全国組織.40%が有色人種.労働組合ではないが,組合の枠を超えて,多くの女性とそれらの目的を支持する男性が個人参加している.AFLーCIO,その国際的な組合および全国組合によって支持されている.
構成メンバー:米国およびカナダ中の60の国際的な組合および全国組合からの参加で,75を越える支部の強いネットワークを持っている.会員数2万人(うち男性5%)
主要な使命:女性たちの共通の課題や目的を達成させるために有効な組合内のアクション・プログラムを開発することおよび共通目的実現のために賛同し,活動する女性組合員を組織すること.
4つの基本的な目的(シカゴ・イリノイ)で設立した際の協定)
(1) 職場での差別撤廃措置の推進
(2) 労働組合における女性の役割の強化
(3) 未組織女性労働者の組織化,
(4) 女性の(共通の)課題についての政治行動と法律制定の活動
賃金の平等,保育と児童手当,老人介護給付の取得,安全な職場の達成,手頃なヘルスケア,避妊の公正,およびセクシュアル・ハラスメントと暴力からの保護のために働き,提言する
■ 主な活動
(1) 女性の教育と訓練
(2) 会議やワークショップの開催
(3) 裁判や投票への影響
(4) ストライキやボイコットの支援
(5) 有益な出版活動
などを提起している.
・組織の構成:19人の女性組合員のリーダーによる全米オフィサー会議,と全国役員会(NEB)
からなる.
・全米オフィサー会議:種々の組合の横断的メンバーの代表(19人)からなる.会議は,少なくともに毎年6回開かれる.
・全国役員会(NEB):全米オフィサー会議のメンバーおよび州副会長,支部会長,組合代表および支部代表を含めて2年ごとの協定で選ばれた350人以上のメンバーからなる.ユニオンと支部の代表はCLUWの会員資格に比例して選ばれる.役員会議は,1年当たり3回行われる.教育の会議はその各NEB会に先行する日に通常開催される.
・会長:93年から今年の秋までグローリア T. ジョンソンで,新会長は,スーザン L. フ
ィリップス.
・CLUW教育&研究センター:全国のCLUWオフィスごとに設置.1979年に設立された.センターは職場および労働運動において働く女性のために有効な政策を提言できるような組合に変える方法およびCLUWのメンバー用の必要な情報や資料などを提供するために確立された.
●感想
・マイノリティ女性を代表として選出したCLUWに信頼感を抱いた.
・CLUWのように大統領選の支援から女性のかかりやすい病気からの救済の募金活動まで幅広い活動分野を担えるような,日本にも女性共通の政治的課題達成のために,組合の枠を超えたネットワークの結成と運営のノウハウを社会的に影響を与えるキャンペーンのやり方を学びたいと思った.
・共通の課題の実現には全国展開が必要であることを実感した.
・グロリアさんは,60年代にキング牧師とともに公民権運動に参加し学んでいるという.そのなかで(女性も有色人種と同じように差別のために痛みを受けているので)女性が組織されなければならないと思ったそうだ.
・AFL-CIOのことだろうか,お金がないため女性部門がなくなったという.イラクで戦争を起こして双方に多くの戦争犠牲者を出している状況のなかで,アメリカでも猛烈なバックラッシュが起こり,人権にたいする活動を軽視・敵視する傾向が作り出されようとしているのか.
・日本も自衛隊をイラクに送るような情勢において,社会福祉的な予算や経済的弱者のための保護や自立支援の予算も削られていく.相互連携に深めて,共通の問題に対処していけたらと感じた. |
関連ワーク | | 関連記事 | 2004年9月第1回日米女性の教育ワークショッププログラム
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